nTopology 3.0のご紹介。高度なエンジニアリングデザインをより早く
nTopology3.0をお届けできることをうれしく思います。 このメジャーソフトウェアリリースでは、GPUアクセラレーションによるリアルタイムビジュアライゼーションが導入されています。これはソフトウェアの動作方法を根本的に変える、画期的なテクノロジーです。nTopology 3.0のインタラクティブ・プレビューは、無料のnTopアカウントを作成することで誰でもダウンロードすることができます。
Alkaios Bournias Varotsis
April 20, 2021 • 11 min read
nTopologyの3回目のメジャーアップデートでは、GPUアクセラレーションを導入し、シームレスなインタラクティブ性を実現しています。nTopユーザーはこの新しいオプトインを有効にするとすぐに、複雑なfield-drivenジオメトリを使用するワークフローを視覚化する際のパフォーマンスを、10倍から100倍に向上させることができます。つまり、設計変更をリアルタイムでプレビューし、どんなに複雑な形状のパーツでも数秒で再生成できるようになるのです。
”自分が何をしているかを見ながら作業できることほど、価値のあることはないでしょう!複雑なモデルをよりシームレスに扱えるようにするために視覚化の時間を短縮する努力は、本当に貴重なものです。私にとって、GPUアクセラレーションによるnTopologyのパフォーマンス向上がこの事実を証明しています。”
Onur Yüce Gün, PhD, Creative Manager at New Balance
また、nTopology 3.0では、過去数ヶ月の間に行われた段階的な技術改良を統合しています。これらには、機能的なラティス・ワークフロー、業界をリードするトポロジー最適化ツール、拡張されたエンジニアリング・シミュレーション・ユーティリティー、および高度な設計自動化機能が含まれます。
既存のユーザーは、ソフトウェアを最新バージョンにアップデートすることで、すべての新機能を利用することができます。また、画面上でこの新しいnTopologyを体験したい方は、無料のnTopアカウントを作成するだけで今すぐソフトウェアをダウンロードでき、一般的なnTopアプリケーションのインタラクティブ・プレビューや、フル機能のトライアル版を使用できるようになります。
では、nTopology 3.0の主な機能と、これらの変更が作業にどのように影響するかを詳しく見ていきましょう。技術的な概要については、リリースノートをご覧ください。
GPUアクセラレーションによる画期的なパフォーマンス
nTopologyの核となるのは、先駆的なインプリシット・モデリング・エンジンです。インプリシット・モデリングでは、すべての固体は単一の数学的方程式で記述されます。この表現により、非常に複雑な部品形状であっても、確実に、そしてエラーなく生成することができます。
どのCPUでも、このインプリシット方程式を数ミリ秒で評価することができます。ただ、以前のバージョンのnTopologyでは、画面上で複雑なラティス構造を持つパーツを視覚化するのに最大で数十秒かかる場合がありました。これは、現在市販されているどのエンジニアリング・デザイン・ソフトウェアよりも(おそらく)速いのですが、それでも十分ではありませんでした。この短い待ち時間が、エンジニアユーザーの生産性や創造的な設計作業の妨げになっていたのです。
GPUアクセラレーションにより、nTopologyでの複雑な設計の操作がシームレスになり、設計者とソフトウェアの連携が強化されます。
現在特許出願中の技術により、nTopologyはシステムのCPUとGPUの両方を利用できるようになり、10倍から100倍のパフォーマンス向上を実現しました。その結果、ラティス、テクスチャリング、フィレット、シェル化、およびその他のfield-drivenオペレーションをリアルタイムでプレビューできるようになりました。最も複雑なデザインでも数秒で再構築されます。
百聞は一見にしかず、ということで、この新しい機能を紹介するビデオをご覧ください。
これはnTopユーザーにとって何を意味しているでしょう?GPUアクセラレーションを有効にすることで、設計パラメータを変更するごとに毎回10~60秒の時間短縮が可能になります。仮にそのような変更を1日に100回行うとすると(これは一般的なワークフローにおいて妥当な仮定です)、1日あたり平均60分の時間短縮になります。これが1ヶ月間続くと、何日分ものエンジニアリング設計時間が節約できることになります。
さらに、リアルタイムのフィードバックにより、各設計パラメータが最終的な設計にどのように影響するかについて、より多くの洞察が得られます。新規ユーザーにとっては、新しい高度なデザインコンセプトを使いこなせるようになるまでの時間が、桁違いに短縮されることにもなります。
nTopology 3.0のリリース時点で公開された機能は、ほんの始まりに過ぎません。今後数か月で、インタラクティブな機能やパフォーマンスがさらに向上することを期待していてください。インタラクティブ性に関するユーザーフィードバックやグラフィックカードの互換性に関するデータを収集していますが、アクセラレーションはオプトインであり、設定パネルから有効にすることができます。
ジェネレーティブデザインのための高度なエンジニアリングツール
nTopologyでは、ジェネレーティブデザインはエンジニアやデザイナーの能力をデジタルツールで補強する、総合的なメソッドであると見なしています。ジェネレーティブデザインの真の価値とはーーーより高性能な製品、そしてより速いイノベーションであることでしょう。ここでは、ジェネレーティブデザイン・プロセスを強化するために、過去数ヶ月間にリリースされたツールの内訳をご紹介します。
Performance-Driven Lattice Generation
ラティスは、メソスケールレベルでジオメトリを制御することでストラクチャーを変更できる、独自の機能を提供します。パフォーマンス要件を入力することで、各アプリケーションに必要な素材のレスポンスを「アーキテクト」することができます。この機能は、単一の製造材料を使用しながらも、さまざまなセクションで材料特性を変更する必要がある場合に特に有効となります。そしてまた、アディティブ・マニュファクチャリング・プロセスとの相性も抜群です。
nTopologyの第3世代のラティス機能は、メソスケールの世界をコントロールし、理論を実践するための適切なツールを提供します。
規則性、確率性、およびTPMSユニットセルの完全なセットに加えて、nTopology 3.0ではシミュレーション結果、テストデータ、エンジニアリング数式、そしてfield-driven設計のアプローチを使用することで、空間内のあらゆるポイントでラティス特性を制御できるユーティリティが用意されています。
また、カスタムユニットセルを作成したり、ジェネレーティブデザインのワークフローに必要な基本的なプロセスブロックを構築して、より高性能な製品を開発できるようにする新しいユーティリティも導入しています。
自動化されたポストプロセスによるトポロジー・オプティマイゼーション
トポロジー・オプティマイゼーションは、多くのジェネレーティブデザインワークフロー、特に軽量化と構造最適化のためのコアツールです。nTopology 3.0では、アディティブ・マニュファクチャリングの最先端のアルゴリズムと独自の制約条件を利用することができます。
nTopologyは他のトポロジー最適化ソリューションと何が違うのか?それは、自動化されたジオメトリ再構築・平滑化ツールと、最適化後のオプションの幅広さです。
nTopologyでは、部品だけでなくプロセス自体をも設計します。一度ワークフローを作成すれば、デザインスペースや密度のしきい値などの入力を変更すると、プロセス全体が自動的に再構築されます。もちろん、これらのワークフローには、性能をさらに向上させるためのラティスや可変シェル化などの最適化後のステップや、シミュレーションや設計検証のための自動メッシュ化なども含めることができます。またあるいは、本格的な設計の自動化という次のステップに進むことなどもできます。
設計の自動化とMDOの統合
再利用可能なワークフローから、nTopCLによるプログラム環境を介したバッチ処理まで、設計の自動化はnTopologyの主幹となっています。nTopology 3.0ではnTopCLの機能を拡張し、Multidisciplinary Design Optimization(MDO)ソフトウェアとの連携を強化する新機能を継続的にリリースしています。
nTopCLはnTopologyのコマンドライン・インターフェースであり、PythonやMATLABのスクリプトでnTopワークフローを呼び出すことができます。nTopCLはデスクトップ、プライベートサーバー、またはクラウドで実行でき、お客様が新しいマスカスタマイゼーションのビジネスモデルを展開することを可能にします。
また、modeFRONTIERなどのサードパーティ製ソフトウェアで、MDOのワークフローにnTopologyを統合することもできます。これにより、お客様は大規模な計算によるDoE(実験計画法)を実行し、製品開発プロセスをさらに加速することができます。
エンジニアリングシミュレーションと設計解析
シミュレーションは、すべてのエンジニアリング設計プロセスにおいて重要な役割を果たします。nTopologyでの作業中にはシミュレーションの3通りの扱い方があります。シミュレーション結果を部品の形状を決定するためのインプットとして使用すること。内蔵のシミュレーションツールを使って設計解析を行うこと。また、メッシュをエクスポートして外部ソルバーで検証することもできます。
nTopology 3.0では、内蔵シミュレーションツールの範囲を拡張しています。静的/モーダル/座屈構造の解析、定常状態/過渡/非線形の熱シミュレーション、そしてラティスユニットセルの均質化などを実行できるようになりました。
nTopologyのシミュレーション前処理機能も拡張されています。より洗練された新しいメッシュ化ユーティリティーや、選択したソルバーのネイティブ形式(ANSYS、Abaqus、Nastranなど)でのFEA/CFDデータのインポート・エクスポート機能を導入し、お客様のチームの設計検証プロセスを効率化します。
nTopologyを体験する
nTopologyを初めてご利用になる方は、無料のnTopアカウントを作成するだけで、実際にnTopologyの動作を確認することができます。
アカウント作成はほんの数分でおわります。その後、nTopologyのプレビュー版をダウンロード・インストールし、厳選されたワークフローのリストを閲覧して、ガイド付きのデモを体験することができます。nTopologyの機能をフルに活用するためには、数回のクリックでトライアルを有効にするか、nTopのエキスパートに連絡して次のステップを計画することができます。
nTopologyのプレビュー版は、無料のnTopアカウントをお持ちの方ならどなたでもご利用いただけます。nTopファイルを開いて表示したり、入力パラメータの調整、結果の表示などができます。nTopワークフローを変更や独自のワークフローを作成するには、nTopologyのアクティブなトライアルライセンスまたはフルライセンスが必要となります。
私たちの目標は、すべての方にこの高度な機能を簡単に利用していただくことです。この新しいプロセスにより、より多くのエンジニアリングや設計の専門家の方々にnTopologyの機能を体験していただけることを期待しています。
既存のnTopユーザー様へ:
プレビューバージョンへのアクセスは無料なので、この新機能を利用して、nTopologyのフルライセンスをまだ持っていない同僚と作業を共有することができます。共有する価値のある設計ワークフローを作成できましたらーーーnTopのアカウント作成ページへのリンクを添えて、同僚に送ってみましょう。リモートワーク環境においては特に便利なのではないでしょうか。
名称変更についてのお知らせ
この記事では、以前の名前である「nTop Platform」の代わりに、「nTopology」という用語を使用していることに気付かれたかもしれません。当社の製品が拡大するにつれて、このソフトウェアは単なる設計ソリューション以上のものに進化しています。このため、会社とソフトウェアの両方を指すために「nTopology」という用語を使用することにいたしました。
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